【ランドウィック競馬場(オーストラリア・シドニー)訪問記】煌びやかなスタンドと馬場、来場者。

オーストラリア

訪問:2015年4月25日

世界中の競馬場を巡る旅。今回はオーストラリア最大の都市シドニーにあるロイヤル・ランドウィック競馬場(Royal Randwick Racecourse)です。煌びやかなスタンド、色鮮やかな馬場、ドレスアップした来場者。「競馬は貴族のスポーツ」を体現したような競馬場でした。

2015年、オーストラリア競馬が熱い

デルタブルースがメルボルンカップを勝った。フジキセキがシャトル種牡馬として渡り、キンシャサノキセキが生まれた。ブラックキャビアという無敗の短距離馬がいた。2013年までの日本のファンにとって、オーストラリア競馬のイメージはこの程度だったと思います。

2014年、ハナズゴールがここロイヤル・ランドウィックのGⅠオールエイジドステークスを勝ちました。同年、アドマイヤラクティがGⅠコーフィールドカップを制し、続くメルボルンカップで悲劇的な客死を遂げました。日本ではGⅡ・GⅢ級だった2頭の活躍が、日本の競馬界の目をオーストラリアに向けさせたのです。

2015年にはリアルインパクトがGⅠジョージライダーステークスを勝ち、トーセンスターダムがランヴェットステークスで、トゥザワールドがザ・BMWで2着。賞金も高く、コーフィールドカップは約2億2,500万円で、当時のジャパンカップ(2億5,000万円)に迫ります。超一流には及ばなくても一流馬なら勝負になる。それがオーストラリア競馬でした。

ロイヤル・ランドウィック競馬場について

ロイヤル・ランドウィック競馬場の入口
ROYAL RANDWICKの入口

1833年に最初のレースが行われた、オーストラリアでもっとも歴史のある競馬場のひとつ。オーストラリアン・ダービーやクイーンエリザベスステークスなど、シドニーの主要GⅠが行われます。運営はオーストラリアン・ターフ・クラブ(ATC)。馬産国オーストラリアには300を超える競馬場があり、人口5,000人の町にも競馬場がありますが、ここはその頂点にある競馬場です。

アクセス

シドニー中心部から東へ約6km。現在はセントラル駅からライトレール(L2線)で約20分、Randwick停留所を降りてすぐです。訪問した2015年当時はバスで向かいました。

優雅なスタンドとパドック

ロイヤル・ランドウィック競馬場の黄色いスタンド
スタンドは派手なイエローながら、優雅さが漂う

スタンドは日本の競馬場とは比べものにならないほどおしゃれです。この日は晴天。観客はドレスアップして、真昼間からビールとワインを楽しんでいます。

ロイヤル・ランドウィック競馬場のパドック
パドックも気品がある。気候も天気も含めて、すべてが優雅
誘導馬に曳かれてパドックを回る出走馬
出走馬を曳くのは人ではなく誘導馬。日本ではまず見ない光景

驚いたのは、出走馬を人ではなく誘導馬が曳いてパドックを回るシーンがあったこと。日本ではまずお目にかかれない光景です。

オーストラリアの馬券の買い方

ロイヤル・ランドウィック競馬場の馬券自動発売機
券売機。窓口でも買える

馬券は自動発売機と窓口の2通り。券種はほぼ日本と同じで、馬連の流しや三連単ボックスも買えます。

違うのは金額です。日本では1点100円単位ですが、オーストラリアはその限りではありません。下の馬券は三連単を4頭ボックス(2, 7, 11, 13)で買ったもの。日本なら24点で2,400円必要ですが、ここでは25ドル分を買っています。

ロイヤル・ランドウィック競馬場で購入した三連単ボックスの馬券
三連単4頭ボックスを25ドルで。104.16%の数字に注目

注目は「104.16%」という数字。1ドルあたりの配当にこの倍率を掛けたものが払戻額になります。つまり三連単の配当が50ドルなら、50×104.16%=52.08ドルの払い戻し。この倍率は100%を切ることもあります。買い目の数で割るのではなく、賭け金を按分する仕組みです。

馬券売り場の後ろに並ぶ他場のレース中継スクリーン
他場のレースはカウンター後ろの大型スクリーンで

オーストラリアでは毎日どこかで競馬が行われていて、他場の馬券も買えます。この日は土曜日で祝日でもあり、5分おきにどこかでレースがある状態。とても全部は追えません。

レース

ロイヤル・ランドウィック競馬場の最後の直線を駆ける馬群
色鮮やかな芝と花壇。最後の直線

優雅な雰囲気ではありますが、最後の直線で叫ぶところは万国共通のようです。

アンザックデーの静寂

この日はオーストラリアの祝日、アンザックデー(ANZAC Day)でした。毎年4月25日、第一次世界大戦のガリポリの戦いで戦ったオーストラリア・ニュージーランド軍団の兵士と、国のために尽くした人々を追悼する日です。

レースの合間に国歌斉唱があり、人々は立ち止まり、脱帽し、頭を垂れていました。それまで賑やかだった競馬場が、一瞬で静寂に包まれる。競馬を通じて文化の違いを垣間見た、印象的な瞬間でした。

まとめ

格式、馬場の美しさ、馬券の仕組み、そして祝日の過ごし方。ロイヤル・ランドウィック競馬場は、競馬場そのものだけでなく、オーストラリアという国を知る場所でもありました。夕立を前にした競馬場は、どこか神秘的な雰囲気を漂わせていました。

同じ出張で訪れた内陸の草競馬場ナラブライ競馬場とあわせて読むと、オーストラリア競馬の幅の広さが分かると思います。