訪問:2024年4月14日
世界中の競馬場を巡る旅。今回はイタリア・ローマにあるカパンネッレ競馬場(Ippodromo delle Capannelle)です。
レバラン休暇のイタリア周遊旅行。ミラノのサンシーロ競馬場に続いて、旅の終着地ローマでイタリア競馬2場目を訪れました。

カパンネッレ競馬場について
カパンネッレは、ミラノのサンシーロと並ぶイタリアを代表する競馬場です。1881年開設、イタリアダービー(デルビー・イタリアーノ)の舞台として知られ、ローマの南東、アッピア街道沿いに広大な敷地を構えています。夏には「Rock in Roma」という大規模な音楽フェスの会場にもなる場所です。
サンシーロの記事でも書いたとおり、イタリア競馬は運営問題と売上低迷から凋落が著しく、2019年にはGⅠ競走が消滅、2020年にはパートⅡ国へ格下げとなりました。かつて凱旋門賞馬を何頭も送り出した国の、今の姿です。

アクセス
行きはローマ中心部からタクシーで。市内から30分ほど、アッピア新街道(Via Appia Nuova)を南東へ走った先に正門があります。
帰りは公共交通機関で戻ることにしたのですが、これが難儀しました。正門前のバス停でメトロA線の駅へ向かうバスを待っていたのですが、待っても待っても来ない。日曜日の郊外のバスというのは、時刻表があってないようなものです。結局、諦めて近郊列車の Capannelle 駅まで歩き、FL4線でテルミニ駅へ戻りました。
後から調べると、テルミニ駅から近郊列車(FL4線、チャンピーノ・フラスカーティ方面など)で約10分、その名も Capannelle 駅で下車、駅から競馬場までは700mほど。最初からこちらを使うのが確実です。バスの場合は、メトロA線の Colli Albani 駅から664番、または Cinecittà 駅から654番で Capannelle/Appia Nuova 下車、とのことですが、日曜日は本数が少ないので覚悟が必要です。
入場料
入場料は無料でした。現在の公式サイトの案内でも「Ingresso gratuito(入場無料)」、開門は第1レースの2時間前となっています。入場料を取って人が来ないより、無料で開放して馬券を買ってもらう方針なのでしょう。

飛行機と山並みが絵になる競馬場
この競馬場でまず目を奪われるのが、景色です。すぐ隣にチャンピーノ空港があり、レースの合間にも、着陸態勢に入った飛行機が頭上を低く横切っていきます。その向こうにはアルバーニ丘陵の山並みと、斜面にはりつくような丘の上の街。これがなんとも良い味を出しています。


芝コースの内側には生垣の障害が置かれていて、その向こうを馬群が駆け抜けていく。景色だけなら、今まで訪れた競馬場の中でも上位に入ります。
客のお目当ては、競馬ではなく…

この日、競馬場の中ではクラシックカーの集まりが開かれていました。コース脇の芝生には年代物のフィアットやアルファロメオがずらりと並び、その周りに人だかりができています。

しばらく見ていて気づいたのは、来場者の大半はどうも競馬ではなく、そちらがお目当てらしいということ。レースが始まってもラチ沿いに人は集まらず、車の周りのほうが賑わっている。ミラノでも客入りの少なさが気になりましたが、イタリア競馬の衰退は、ここローマでも進んでいるようです。
スタンドと馬券売り場

メインスタンドは、1926年の大改修で造られた歴史あるもの。ローマらしい黄土色の壁が青空に映えます。ただ、この日スタンドに座っている人はごくわずかでした。

馬券売り場はスタンドの中。有人窓口が並ぶ昔ながらのホールで、こちらはミラノより常連さんの姿が多く、地元の競馬場らしい空気がありました。買い方はサンシーロと同じで、レース番号・券種・馬番・金額をメモして窓口へ。

レープロは「20° Giorno – Domenica 14 Aprile 2024 – ore 14:00」、シーズン20日目、14時発走の8レース。第1レースは2歳新馬戦の Premio Romolo e Remo(1,000m)、第4レースにはハンデ戦の Premio Shergar(2,200m)と、名馬の名前を冠したレースが並びます。
パドック

パドックは、ローマの街路樹でもおなじみのカサマツ(イタリアカサマツ)の木陰にあります。柵が低く、馬との距離はサンシーロと同じくとても近い。

レンガ色の周回路を、厩務員に曳かれた馬がゆっくり歩いていきます。日曜日の午後、木漏れ日の中で馬を眺める。これだけで来た価値があります。

騎手たちは、スタンド脇の検量室から芝生を横切ってパドックへ。観客との間に柵もほとんどなく、すぐ横を勝負服が通り過ぎていきます。
馬券とレース

馬券は第5レースで2枚。2番 Canticchiando の単勝10ユーロと、2番と6番の組み合わせを10ユーロ。窓口の機械は SNAI ではなく Doretti Group という別のブックメーカーで、競馬場ごとに運営会社が違うようです。

スタンド前の直線は広々としていて、ラチ沿いに出ればほぼ独り占め。芝の緑、白いラチ、その向こうの山並み。馬券の結果を忘れさせてくれる眺めです。

まとめ
歴史ある広大な競馬場、絵になる景色、近いパドック、そして入場無料。器は一級品です。だからこそ、主役であるはずの競馬に人が集まっていない光景は、少し寂しいものがありました。
サンシーロと合わせて2場を巡ってみて、イタリア競馬の「栄華と衰退」を肌で感じた旅になりました。それでも、馬券の買い方は一度覚えてしまえば簡単ですし、ローマ観光のついでに半日で行ける気軽さは魅力です。飛行機と馬を一枚の写真に収められる競馬場は、世界でもそう多くないはずです。帰りは、バスを待たずに電車で。


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