【園田競馬場 訪問記】金曜の夜は「そのきんナイター」。ナイター元年と10年後、二度の金曜日。

夕暮れの園田競馬場、照明の灯ったダートコースを走る馬 日本の競馬場

訪問:2012年9月7日、2022年5月20日

世界中の競馬場を巡る旅。今回は番外編、兵庫県尼崎市にある地方競馬の園田競馬場です。

園田競馬場では2012年9月から、金曜日にナイター競馬「そのだ金曜ナイター(そのきんナイター)」が行われています。仕事帰りにふらっと寄れる競馬場。ナイターが始まったばかりの2012年と、10年後の2022年。二度の金曜日の夜を、まとめて書いておきます。

園田競馬場について

園田競馬場は、兵庫県競馬組合が主催する地方競馬場です。1930年の開場で、かつてはアラブ馬だけが走る「アラブのメッカ」として知られ、サラブレッドが導入されたのは1999年のこと。大阪と神戸のちょうど中間にあり、関西の地方競馬ファンにとっていちばん身近な競馬場です。姫路競馬場と合わせて、兵庫県競馬は2場体制で運営されています。

コースは右回りのダートで、1周1,051m、直線はわずか213m。敷地が限られているため、向正面がまっすぐではなく緩い右カーブを描いているという珍しい形をしています。距離設定も820m、1,230m、1,400m、1,870mと中途半端な数字が並び、小回りで直線が短いぶん、先行争いが激しいのが園田の競馬です。

アクセスと入場料

阪急神戸線の園田駅で降りて、北西側に50mほど歩いたところにある専用バス乗り場から、無料の送迎バスが随時出ています。競馬場までは約5分。ナイター開催の日は13時30分から運行しています。阪神・JRの尼崎駅からも無料バスがあります。梅田から園田駅までは10分ほどなので、大阪の中心部から30分もあれば着いてしまう近さです。行き帰りは、いつもこの無料バスです。

入場料は100円。ナイター開催日の開門は13時45分です。

ナイター元年の園田(2012年9月7日)

最初に訪れたのは、そのきんナイターが始まった2012年9月。当時は兵庫の学生で、園田は阪急でひと駅ふた駅の距離でした。

2012年9月、照明に照らされた夜の園田競馬場スタンド

照明に浮かび上がるスタンドと、大型ビジョンを見上げるパドック。昼間の地方競馬しか知らなかった目には、同じ園田がまるで別の場所に見えました。

2012年9月、夜の園田競馬場のパドックと大型ビジョン
2012年9月、ナイター開催の園田競馬場パドックを周回する馬

この日の馬券は、第10レースの5番オンワードエーデルに単勝と複勝を1,000円ずつ。学生の財布には、なかなか強気な勝負です。

2012年9月7日 園田10レース オンワードエーデルの単勝・複勝馬券
夜の園田競馬場、照明に照らされたゴール前のアーチ
2012年9月、園田競馬場のナイターレースを走る馬群

10年後、ふたたび金曜の園田へ(2022年5月20日)

それから10年。インドネシアからの一時帰国中に、ふたたび金曜日の園田を訪れました。到着したのは15時半すぎ。緑色の屋根の案内所がある広場は、平日の昼下がりらしくのんびりした空気です。ナイター開催の日は最終レースが20時半ごろなので、このくらいの時間から入ってちょうど良い感じ。

園田競馬場の入場門前広場

まずは一八で腹ごしらえ

園田競馬場のまぐろ専門店・一八のまぐろピリ辛ユッケ丼とまぐろ串カツと生ビール
まぐろピリ辛ユッケ丼と、まぐろ串カツと、生ビール。傍らには出馬表

地方競馬場の楽しみといえば、場内の食堂です。園田で真っ先に向かうべきは、第6投票所の横にあるまぐろ専門店「一八(いちはち)」。市場直送のまぐろを、競馬場価格で食べさせてくれる店です。

頼んだのは名物の「まぐろピリ辛ユッケ丼」に、1本100円のまぐろ串カツ。卵黄をくずして、ピリ辛のまぐろと白飯を一緒にかき込む。串カツはレモンをしぼって、生ビールで流し込む。トレーの横に出馬表を広げて、予想しながら食べる。これ以上の昼飲みは、なかなかありません。

パドック

園田競馬場のパドックと大型ビジョン

パドックは、植え込みに「SONODA」の文字。柵のすぐ向こうを馬が歩いていくので、馬との距離がとても近いです。常連さんたちが新聞片手に、真剣な表情で馬体をチェックしています。この距離感は、10年前と変わらず地方競馬ならでは。

ホルモン片手に、たそがれのダート

園田競馬場のコースを背景にした西ホルモンのホルモン焼き

日が傾いてきたら、今度はホルモン。食堂街の明石屋の隣にある「西ホルモン」で、キャベツと一緒に炒めた味噌だれのホルモン焼きをパックで買って、ラチ沿いへ。濃いめの味付けが、ビールの進む夕方によく合います。

夕暮れの園田競馬場、照明の灯ったダートコースを走る馬

18時を過ぎると空が青く沈み、コースに照明が入ります。送電線の鉄塔を背に、砂を蹴って目の前を駆け抜けていく馬たち。たそがれ時のダート競馬には、昼間とは違う色気があります。

イルミネーションの夜

イルミネーションが灯る夜の園田競馬場

19時半には、場内はすっかり夜。入場門前の広場はイルミネーションで彩られ、昼間ののんびりした姿とはまるで別の場所のようでした。

まとめ

大きなレースがあるわけでも、立派なスタンドがあるわけでもありません。それでも、うまい飯と酒、近い馬、暮れていく空。園田の金曜ナイターには、競馬場で過ごす時間そのものの楽しさが詰まっていました。学生のころに初めて観た夜の園田が、10年経っても同じ顔で迎えてくれたのも嬉しいことでした。

海外でいえば、金曜の夜に照明の下で競馬をやっていたシンガポールのクランジ競馬場を思い出します。あちらは2024年に閉場してしまいましたが、園田の金曜ナイターは、これからも仕事帰りの受け皿であり続けてほしいものです。

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