【ゴールデンゲートフィールズ競馬場(アメリカ・サンフランシスコ)訪問記】こじんまりとした田舎競馬。

アメリカ

訪問:2016年10月30日

【2026年9月追記】ゴールデンゲートフィールズは2024年6月9日の開催を最後に閉場し、1941年の開場から83年の歴史を終えました。北カリフォルニアで最後まで残っていた通年開催の競馬場でした。最終日には約5,900人のファンが別れを告げに集まったそうです。

世界中の競馬場を巡る旅。今回はアメリカ・サンフランシスコ湾岸にあったゴールデンゲートフィールズ競馬場(Golden Gate Fields)です。大都市のすぐ隣にありながら、雰囲気は日本の地方競馬に近い。そんな「こじんまりとした田舎競馬」の日曜日の記録です。

アメリカ出張の初日、サンフランシスコ到着は日曜日の正午ごろ。時差ボケ調整のために予定を空けていた日でしたが、ここはやはり競馬場へ。到着したその足で向かいました。

ゴールデンゲートフィールズ競馬場について

1941年開場。サンフランシスコ湾を望むバークレー(Berkeley)とアルバニー(Albany)の境にあり、北カリフォルニアの競馬の中心でした。南カリフォルニアのサンタアニタやデルマーに比べると規模は小さく、重賞も少なめ。この日も重賞のない平場開催で、人の入りはまばらでした。

幸運だったのは、この日が「$1デー」だったこと。月に一度、月末の開催日には入場料、駐車場、ドリンク、フードがすべて1ドルになります。

アクセス

サンフランシスコ国際空港から車で約40分、市内からなら20分ほど。ベイブリッジを渡ってバークレーの北側へ向かいます。公共交通機関では行きにくいので、レンタカーが現実的です。駐車場代は通常でも数ドル、この日は1ドルでした。

入場料とレーシングプログラム

ゴールデンゲートフィールズ競馬場の駐車場と入口
駐車場で1ドル、入場口で1ドル

駐車場で1ドルを払って車を止め、入場口で入場料1ドル。サンフランシスコらしく曇りがちの空で、雨が降ったり止んだりの合間に青空が見える一日でした。

ゴールデンゲートフィールズ競馬場の入場門
入場門。$1デーの案内も

中に入ったら、8ドルほどのレーシングプログラムを購入。馬名だけが載った2ドルの簡易版も売っています。それにしても人がいない。今日は本当に開催日なのかと不安になるほどでした。

場内とコース

雨に濡れたゴールデンゲートフィールズのスタンド前
雨上がりのスタンド前
ゴールデンゲートフィールズのダートコース。土のような馬場
「砂」というより「土」のダート

アメリカの競馬場は初めてでしたが、「アメリカのダートは砂というより土」と聞いていたとおりでした。どう見ても砂には見えず、日本でいえば常に重馬場か不良馬場のような「土」です。

スタンドの観客席
スタンドは大きいが、雰囲気は地方競馬
ゴールデンゲートフィールズのスタンドを横から
上の階には指定席のようなエリアも

奥へ進むとようやく人が増えてきました。おじさんが多いのは日本と同じですが、意外にも若者やカップルの姿もあります。雰囲気は中央競馬というより地方競馬寄り。園田競馬場にデートで来る大学生カップルは、あまりいないでしょうから。

パドックはどこに?

パドックパブの看板
パドックの手前にある「パドックパブ」

まずはパドックへ。ところが探せども見つかりません。端から端まで歩き、挙げ句の果てに「パドックパブ」というパブにも入ってみましたが、ありません。

目の前を歩くゴールデンゲートフィールズのパドックの馬
パドックは目と鼻の先。馬まで1mほど

結局、そのパドックパブの反対側にありました。あまりにこじんまりとしていて見落としていたのです。馬との距離は1mほど。向かってこられたら避ける自信がありません。

馬券の買い方とオッズの見方

ターフビジョンに表示されたオッズ
オッズはターフビジョンに。8-5なら1.6倍

オッズはコースのターフビジョンに表示されます。アメリカでは細かいオッズは出ず、たとえば「8-5」は5分の8、つまり1.6倍という意味です。

馬券は自動発売機と窓口があります。機械はマークシート式ですが勝手が分からず、窓口で購入しました。

ゴールデンゲートフィールズの馬券
EXは馬単、TRIは三連単

EX(Exacta)が馬単、TRI(Trifecta)が三連単。この馬券は1-4の馬単ボックスを各5ドルで計10ドル、1-4-10の三連単ボックスを各2ドルで計12ドル買ったものです。

ゴールデンゲートフィールズのスターティングゲート
John Deereのトラクターに曳かれてくるゲート

レース

ゴールデンゲートフィールズのゲート。Golden Gate Fieldsの文字
ゲートには大きく「Golden Gate Fields」の文字

アメリカ競馬は先行しないと話にならない、と聞いていました。ただ、下のクラスだと差しも結構決まるようです。そして思った以上に人気が当てになりません。8頭立てで1倍台の1番人気と2倍台の2番人気がそろって飛びました。偶然かもしれませんが、レース後に日本のようなどよめきがなかったところを見ると、現地ではよくある光景なのでしょう。

ゴールデンゲートフィールズのレース、ゴール前
ゴール前。低いクラスでは差しも決まる
レース後の勝ち馬の記念撮影
勝ち馬の表彰は、驚くほど距離が近い

レース後には勝ち馬の簡単な表彰があります。とにかく距離が近い。オーナーらしき人はその辺にいそうな人で、ドレスコードもへったくれもありません。観客も同じで、わざわざスーツで来た自分が浮いていました。1レースの賞金がどの程度かは分かりませんが、アメリカンドリームは意外とすぐそこにあるのかもしれません。

1ドルのホットドッグ

1ドルのフード・ドリンク引換トークン
まずトークン(引換券)を1ドルで買う
ホットドッグの売店
フードはホットドッグ一択
1ドルのホットドッグ
安っぽいが、1ドルなら文句なし。結局3つ食べた

ふと腹が減り、1ドルのドリンクとフードをいただくことに。まずトークンという引換券を買います。コーラもビールも1ドルなのでみんなビールでしたが、自分は運転があるのでコーラ。フードはホットドッグ一択。なんとも安っぽいホットドッグですが、1ドルなら文句はなく、最終的に3つ食べました。

まとめ

ゴールデンゲートフィールズ競馬場は、サンフランシスコという大都市のそばにありながら、華やかな社交場という雰囲気はありません。むしろ日本の地方競馬に近い鉄火場。それでいて殺伐としているわけでもなく、地元の人がのんびりレースを楽しんでいました。

個人的には、馬券を買ってレースを観るより、馬を所有してここで走らせてみたいと思わせる競馬場でした。そんな日曜日から8年後、この競馬場は姿を消しました。

同じ出張で訪れたサンタアニタ競馬場のブリーダーズカップ観戦記、閉場した競馬場をまとめた「今はなき競馬場」もあわせてどうぞ。