訪問:2015年5月4日
世界中の競馬場を巡る旅、北海道編。今回は競馬場ではなく、北海道苫小牧市のノーザンホースパークです。かつて活躍しながら種牡馬にはなれなかった功労馬たちが余生を過ごす場所。競馬場巡りの一環として、馬産地・北海道でまず最初に訪れました。
ノーザンホースパークについて
社台グループが運営する、馬とふれあえるテーマパークです。乗馬や馬車、馬術ショーのほか、引退した競走馬が功労馬として暮らしています。新千歳空港から車で10分ほどという立地で、飛行機の待ち時間に立ち寄ることもできます。
アクセス
新千歳空港から車で約10分。空港からは無料のシャトルバスも運行しています(時期により運行状況が変わるので公式サイトで確認を)。この日は朝に伊丹空港を出て、昼前に新千歳へ。レンタカーでそのまま向かいました。
功労馬の馬房に、まさかの名前
到着早々、居ても立ってもいられず功労馬の馬房へ。最初にたどり着いたのはサラブレッドではなく、いろいろな品種の馬の馬房でした。「目的はここではない」と思いつつ見て回っていると、壁のホワイトボードに目が留まりました。各馬房にどの馬がいるかを示したもの。そこに書かれていたのは。
ジャガーメイルをはじめとするGⅠ馬たち。ダート短距離で直線一気の鬼脚を見せたシルクフォーチュン。そして、菊花賞2着、ステイヤーズSとダイヤモンドSを勝ち、天皇賞(春)で1番人気に支持された、エアグルーヴとダンスインザダークの仔、フォゲッタブル。
まさかここで会えるとは。はやる気持ちを抑えられず、すぐに向かいました。馬房に入るとまずジャガーメイルが目に入ります。「お前が天皇賞(春)を勝ったGⅠ馬か。それよりジャパンカップ(3着)では世話になったぞ」。

隣の馬房はフォゲッタブル。残念ながらこの時は外出中でした。後ろ髪を引かれつつ厩舎の奥へ進むと、いました。
ダート短距離の鬼脚、シルクフォーチュン

ダート短距離の鬼脚といえば、2000年の根岸Sで伝説的な末脚を見せたブロードアピール。しかしシルクフォーチュンも負けていません。4歳時にダート短距離の条件戦を4連勝、いずれも後方一気の上がり最速で、ダートでは驚きの34秒台前半。1000万下の出石特別やGⅢプロキオンSは、末脚の凄さが初心者にも伝わるレースです(レース映像)。
短距離馬でマイルは長いといわれながら、東日本大震災の影響で東京開催となった2011年の南部杯(JpnⅠ)では上がり最速で3着。翌年のフェブラリーSでは同じ東京マイルで2着。当時まだ若かった藤岡康太騎手と懸命に脚を溜め、直線で爆発させる。自分の中でダート短距離といえばこの馬です。

馬に食べさせられる「にんじんクッキー」を買って、網の隙間からのぞかせると寄ってきました。近くで見ると、やはり馬はでかい。待て、手まで食うな。
馬術ショーに、菊花賞馬デルタブルース

馬術コースでちょうどショーをやっていて、司会の方が馬を「デルタくん」と呼んでいます。聞き覚えがある。まさか。
デルタブルース。菊花賞とメルボルンカップを勝った、あのデルタブルースが、華麗な跳躍を見せる障害馬術の馬になっていました。ほかにも春の天皇賞馬アドマイヤジュピタ、JBCスプリント馬スーニがいました。ステイヤーやダート短距離馬は、GⅠ勝ちの実績があっても種牡馬になれない。競走馬の世界の厳しさを改めて思います。それでも、スタッフに見守られながら余生を過ごせるのは、幸せなほうなのでしょう。
エアグルーヴの仔、フォゲッタブルと対面

フォゲッタブルを見ずには帰れないと、再び厩舎へ。遠い目をして、なかなか寄って来てくれません。壁にもたれかかりながら寝ています。
兄弟たちが繁殖生活を送る中、それでも元気そうで安心しました。全兄で成績は大きく劣るザサンデーフサイチが種牡馬になり、フォゲッタブルがなれないのは、やはり馬主の差なのでしょうか。ここを訪れる人と戯れながら、のんびり余生を過ごして天寿を全うしてほしい。エアグルーヴとその一族への思いは別の記事に書いています。
まとめ
引退した名馬に会える場所は、日本ではそう多くありません。空港から10分で、GⅠ馬に手からクッキーを食べさせられる。馬好きなら一度は訪れてほしいノーザンホースパークでした。
この旅は、同じ日に帯広のばんえい競馬場へ続きます。
施設情報
- ノーザンホースパーク:北海道苫小牧市美沢114-7
- 新千歳空港から車で約10分(無料シャトルバスあり)
- 公式サイト(営業時間・入園料は季節で変わります)

